コングロマリット時代の終わり
東芝が3社に分割されるとの報道が出ましたが、ほぼ同じ時期、海の向こうでもGE(General Electric)社が3分割される見込み。日本でも総合電機の凋落が著しいですが、いよいよコングロマリットの時代が終わりそうです。
いや、とっくに終わってるか。
昔々、自分が若い頃には、いろんな事業をやってるのは良いことだ、そう思ってたこともあったんですけどね。どっか一つの事業が傾いても、どっかは大丈夫だから、会社としての安定性が高い、なんて考えたりして。
でも、実際どっかの事業が傾いたら違う事業に人を動かせるかというと、そう簡単じゃない。昨日までネジ作ってた人が、今日からコンピュータの開発やってください、なんてできるもんじゃありません。みなさん、それなりに給料も高かったりする。
ぶっちゃけ、工場止めて人材カットして、外部市場から新しい人採用した方が安くて良い仕事ができる。
冷たいと言われるかも知れないけど、誰が割高な給料を負担してくれるんでしょう?
お客さんは払ってくれません。
会社の金? あなたがその会社の株主だとしたら、会社の金で払いますか?
会社の他の人がカバーするなら「なせオレがこいつの給料分、余計に働かなければいかんのだ」と不満が溜まり、良い条件のところに転職なんてことになります。
結局それぞれのビジネスユニットで儲けを出すしかないんですよ。いろんな事業をやっていても、そんなことは利用者に何の関係もない。利用者は一番良い商品・サービスを使うだけ。
「ウチはこれも作ってるから一緒に売ってくれ」なんて指示が出ると、現場が苦労するだけなんてことにもなりかねない。それぞれの商品に競争力がないと、いろんな事業があることが「強み」じゃなく「重荷」になってしまいます。
正直、コングロマリットに良いことはあんまりないと思います。
でも、日本も米国も一時期は流行ったし、今でもインドや中国には存在している。
これはなぜか?
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ウソです。
中国で気づいたんですけどね。
コングロマリットは地域ベット、その地域の成長性に賭けてるんだなと。
今ならインド、ちょっと前なら中国、そのずっと前なら日本や米国、そういった地域全体の成長性が高いので、そこに網を張ってるということ。そう考えると、発展途上国でコングロマリットが多い理由も理解しやすい。
地域の成長性が下がってくると、地域全体に網を張るより、特定の商品に網を張った方が効率が良いのでバラバラになる。
まあ、日本なんて低成長地域に網張っても、そりゃ成長しませんよ。