グローバリズムは終わりなのか
前記事で紹介した岡田斗司夫さんの動画では、ホワイト社会の前はグローバリズムの時代で、それが終わりつつあると言われています。
グローバリズムの時代の価値観とは、
・世界は一つ
・やりたいことがある若い人は自分を試せる国に行きなさい
・世界中に良いものがあれば取り寄せて売りましょう
・人間もモノも国境を越えて移動できる社会であるべきだ
自由貿易の前提が崩れて、こういう価値観が変わりつつある。マクドナルドのMやLが食べられないことがニュースになったけど、こういったイレギュラーと思われている不足は、これから当たり前のものになってくるだろう、というようなお話。
海外セカンドライフを目指せ、と書いている私としては聞き捨てならないところ、
と言いたいところですが、実はコロナ前に中国から帰ってきた時に、似たような感覚を持っていました。
コロナが終わっても海外旅行に誰も行かなくなるとか、モノが入らなくなるから日本で何でも生産しようなんて、そんな話ではありません。大きく二つのことがあります。
一つ目はグローバルで得られる利益が減ったということ。
商売柄、オフショア開発(=人件費の安い海外でプログラム開発を行うこと)に触れる機会があるのでこれを例にとりますが、コストの差が縮小してきてるんです。
最初にオフショア開発が話題になったのは2000年代頃と記憶してますが、人件費の差はまさに桁違いでした。高い駐在員を送り込んで、現地の人に必要な教育をしても十分な利益が出た。
中国やインド等のオフショア先が経済発展した今、こんな余裕はありません。職種によっては日本の田舎の方が人件費が安いこともある。為替変動で利益が吹っ飛ぶような状況で、海外で開発すればコストが下がるなんて簡単な話ではなくなっています。
他の業界も似たような状況になっているんじゃないでしょうか。
二つ目は違う考え方の国で、ビジネスが自由にできるというのは、そもそも無理があるということ。
中国が典型的ですが、例えば、ネット事業者は政府に情報開示しなくてはならない。政府が気に入らない書き込みは勝手に消されるんですが、これを断ると商売ができない。だからグーグルもラインも使えないことになってます。
別に中国だけの話じゃありません。ヤフーが、法令遵守のコストに見合わないから欧州から利用不可にするというニュースが出ましたが、これからこの手の話は増えるでしょう。コロナの疾病対策のような話も、食品衛生基準の話もある。
私のような古い人間からすると、様々な海外情報がスマホで探せる現代は天国ですが、情報格差がなくなってきたことが大きい。
行けばなんとかなる、そんな時代は終わったと思います。
「米国では、」「ドイツでは、」なんて海外のことを知ってるだけで偉ぶった人を「出羽守」と言ったりしますが、もはや絶命危惧種。ちょっと海外旅行しただけで、うぇーいなユーチューバーなんかも、これから淘汰されていくでしょう。
ちなみにブログタイトルの「目指せ」は、年老いた自分を叱咤激励する意味で、誰にでも海外行を勧めてるわけではありませんので悪しからず。