役定を当事者が語ってみる
役職定年後ある程度の時間が経ったので、当事者としての感想を書いておこうかと思います。ちなみに、私自身は外資を含む何社かを巡った後、現在はバリバリ日系なところに落ち着いています。
一応、大手の日系企業で一般的な人事制度を書いておくと、
・50代前半で、部課長は肩書と部下がなくなり、3割前後給与カット
・60歳までこの処遇が続く
・それ以後は身分保証されず個別対応。水準を維持できる人もいれば、仕事の種類を変えて給与を下げる人もいる
という感じだと思います。
で、役定どんな感じかという話ですが、これすごく難しい。
ホント、どうしたものやら。
下手にラインに口を出せないし、何か事業立ち上げようにも、部下なしではリソース確保が難しい。アドバイザー的な仕事も量は多くない。会社の方針と違うことを好きにやれる訳じゃないし、子会社作るにしても、本体と競合することはできない。
要するにポジションがないし、自力で作るにも限界がある。
支援するから外で自営業やって食い扶持見つけろ、電通がそんな試み始めましたが、会社内でやるよりそっちの方が気がラク。本音はどうだか知らないけど、他社に持っていかれたら困るって、飼殺すのもどうかと思うよ。
若い人には、ムダメシ食ってるように見えるでしょう。逆の立場だった時そう思ったからよく分かる。給料分働けてなくて申し訳ないが、やりたくてやってる訳じゃないんだよ。
私の場合、そこそこリスキーな転職だったので、外資系のように高給出せない代わりに、こういうセーフティネットがあるということで転職を決意しました。家族があるんでね。残念ながら、それを使うことになってしまったんだけど、メンタルきついわ。
まあ、年齢によって処遇を決めるなんて、そもそも労働慣習として良くないし、さっさとジョブ型に移行して、こんな制度なくしちゃえばいいんですよ。ジョブ型とは、簡単に言うと座る椅子に値段がつく方式のこと。
労働市場では、営業企画系は高給取りで、製造系は給料安いとポジションで相場は決まってるんですが、日系の人事制度ではそういう区別も十分ついてなかったりする。
私のケースだと、もっと高い給与払って、ダメならカットというオファーすればいい。あるいは退職金積み増してくれれば、さっさといなくなるんだけど、そういう気配もないんだよな。
終身雇用なんて、会社が成長し続けて人口ピラミッド維持しないと成り立たないんだから無理。そんなことは学生の時から思ってましたが、いよいよそういう時代になりました。我々が日本型雇用の最後の世代になるでしょう。今はその過渡期だと思います。
こっちも苦痛だし、長居するつもりはない。もうちょっとだけ許してね、若者たちよ。